ここは関東? ~山梨の日々~

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タグ:吉原裏同心

無宿 佐伯泰英
IMG_0881よかった。前巻の夜桜があまり良くなかっただけに不安もあったけど、よい巻でした。吉原裏同心シリーズ最新巻です。

話は、無宿者の強盗と、薄墨太夫の武家時代の知り合いの話が大きな二本。
無宿者の話は初めと最期くらいですが、おなじみの村崎同心以外の同心が出てきて、幹次郎と協力しあいます。村崎同心の話も結構多く、しがない同心の嘆きなどが聞けました。
シリーズが進んだこともあり、幹次郎がかなり信頼を得ていて、常に持ち上げられているのでどうも耳にこそばゆいのは仕方ないのかな。
薄墨太夫の危難は、過去の婚約者の関わりではあるのですが、その兄が一時は薄墨の婚約者であるように言うのですが、実際は無頼の者で少しの間だけ婚約者の家に養子に入っただけで薄墨とほとんど関係のない。そんな事実が発覚してくるわけで、ドンドンスケールダウンしていく形が情けない。薄墨の本来の婚約者が出てくると薄墨に不都合なのかもしれんけど、結局薄墨の出世具合を知って金になると思った小悪党でした。敵役がどんどんショボクなっていくと、緊迫感も抜けてくのが残念。

それ以外には、前巻に結婚した荻野と砂利の親方が披露宴?をしたりと、よい話もありました。

津島道場も変わったり、竹松も成長したりと、時がたつのを感じさせるいい話になりました。次の巻も楽しみです。

夜桜 吉原裏同心シリーズ
春霞ノ乱 居眠り磐音シリーズ
ともに佐伯泰英先生です。
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毎月刊行される佐伯先生の本ですが、今月は二冊同じ日に発売です。還暦をとうにすぎてると聞きますが元気ですね。

春霞の乱は面白かった。
すっかり長編シリーズとなって、一冊完結の話が少なくなりましたが、この巻はとくにあとに響いてます。父が誘拐され、旧藩の騒動に関わることになる磐音ですが、ここでも田沼意次の手が伸びてきていました。藩内でひそかに行われていた密貿易を押さえた磐音ですが、黒幕には手をだせずにこの巻は終わります。

昔の巻のような、江戸の町人、武士との様々な話がはいった一巻完結ものとは変わって来ましたが、様々なシリーズをやってますので、こういう展開のものもいいですね。


夜桜はなんだかなぁって巻でした。
大きく二つの話で、一つは遊女の足抜けの話、もうひとつは足が速い侍の登場で競争が行われることになった話です。

足抜けの話は、その始末だけでなく、関わった人のあとの話も入っててよくまとまってた。荻野の身請けの話まで少し早いかなと思いましたが良い話でした。あと、荻野といえば竹松のほうも成長しててシリーズが進んでいることを感じさせます。

しかし、もう一つの走り屋侍のほうが、なんだこりゃってオチで結構がっかり。あまりの唐突にでてきたキャラとオチに力抜け。幹次郎なにもしてないしな。幹次郎は別に足が速いわけじゃないし、競争相手になることはないだろうとは思ってましたが、まさかまったく関わらないとは。

シリーズ的には終盤の一休みなのでしょうか。あまり盛り上がりが少ない話でした。


二冊比べると、春霞の乱のほうが断然面白かった。読む前の期待とは逆でした^^
佐伯先生の書かれているシリーズはどれも終盤に入ってきたような感じがありますが、最後まで楽しみにしています。

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