誰が得するのかっていう本の感想シリーズ第二弾

李嗣源 仁木英之
IMG_0131
唐末に晋を建国する李克用の養子となり、のちに後唐の2代目となる、李嗣源の小説です。
五代十国なんてニッチな所(失礼)の小説が出ていたことに気づかず、先日知って読了いたしました。
実は大学ではこの時代の南方に位置する呉、南唐について研究していたので、喜びとともに手にしたところです。

「李嗣源」と言われてどれだけの人がわかるだろうか。五代の二番目の王朝、後唐の二代目で先帝の混乱を収め平穏を保ったため、名君といわれますが、即位期間は約7年。しかもその3年後に後唐が滅びてしまうあたり、本当に名君といえるのか、それとも五代という時代がそれだけ厳しかったのか難しいところです。

また、李嗣源がとても地味で黙々と任務を果たすタイプなので、あまり主人公っぽくはありません。上巻は、拾った少女とのロマンスなどがありますが、下巻は結ばれたはずの少女の出番は最後の最後の方までさっぱりありませんし、それどころか50ページ以上、李嗣源自身の出番が無かったりします。

ですから、李嗣源の小説というより、李嗣源の生きた時代の小説と見たほうが正しいです。場面も周りの十国にポンポンとびますし。既刊に「朱温」というのがでてますが、これが李嗣源より少し前の人なので、おそらく、続けて読めば唐末からの流れが小説で読めそうです。今度読んでみます。

残念なところを上げれば
・あまり主人公としての活躍が無い。名将って言われてますけど、作品中華々しい勝利のシーンとかの記憶がない。青年期に15年一気に話が進むので、中年を飛ばして、いきなり初老になります。
・主語が変わってるのに書いてなかったりする文章があって読みづらい。
・場面転換が急だったりする。また、十国の話が色々入ってきます。五代十国という時代をみるにはいいのですが、李嗣源の活躍を増やしたほうが小説的には面白いと思う。例えば、楚と南漢の戦争の描写なんかはほんとにいるのかと思う。

五代十国のシリーズはまだまだ続くようなので、次にも期待してます。









昨日作ったカレー。
昨日と今日と明日は朝晩カレーがご飯かな。

IMG_0127