夜桜 吉原裏同心シリーズ
春霞ノ乱 居眠り磐音シリーズ
ともに佐伯泰英先生です。
IMG_0679
毎月刊行される佐伯先生の本ですが、今月は二冊同じ日に発売です。還暦をとうにすぎてると聞きますが元気ですね。

春霞の乱は面白かった。
すっかり長編シリーズとなって、一冊完結の話が少なくなりましたが、この巻はとくにあとに響いてます。父が誘拐され、旧藩の騒動に関わることになる磐音ですが、ここでも田沼意次の手が伸びてきていました。藩内でひそかに行われていた密貿易を押さえた磐音ですが、黒幕には手をだせずにこの巻は終わります。

昔の巻のような、江戸の町人、武士との様々な話がはいった一巻完結ものとは変わって来ましたが、様々なシリーズをやってますので、こういう展開のものもいいですね。


夜桜はなんだかなぁって巻でした。
大きく二つの話で、一つは遊女の足抜けの話、もうひとつは足が速い侍の登場で競争が行われることになった話です。

足抜けの話は、その始末だけでなく、関わった人のあとの話も入っててよくまとまってた。荻野の身請けの話まで少し早いかなと思いましたが良い話でした。あと、荻野といえば竹松のほうも成長しててシリーズが進んでいることを感じさせます。

しかし、もう一つの走り屋侍のほうが、なんだこりゃってオチで結構がっかり。あまりの唐突にでてきたキャラとオチに力抜け。幹次郎なにもしてないしな。幹次郎は別に足が速いわけじゃないし、競争相手になることはないだろうとは思ってましたが、まさかまったく関わらないとは。

シリーズ的には終盤の一休みなのでしょうか。あまり盛り上がりが少ない話でした。


二冊比べると、春霞の乱のほうが断然面白かった。読む前の期待とは逆でした^^
佐伯先生の書かれているシリーズはどれも終盤に入ってきたような感じがありますが、最後まで楽しみにしています。